【440人に聞いた】上司が細かいと思う瞬間ランキング!対処法の調査結果も発表

上司が細かいと思う瞬間ランキング

あなたの周りには、細かすぎる上司がいますか?

部下を細かく管理しようとする上司を「マイクロマネジメント上司」などと呼びます。

マイクロマネジメントされてモチベーションが下がったり、精神的なストレスを抱える部下も少なくありません。

今回はお仕事をしている440人に「細かい上司」についてアンケート調査を実施した結果を発表します。

【調査概要】

  • 調査対象:お仕事をしている方
  • 調査期間:2024年8月29日~9月12日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:440人(女性268人/男性172人)
  • 回答者の年代:10代 0.9%/20代 19.3%/30代 36.6%/40代 27.7%/50代 12.3%/60代以上 3.2%

アンケート結果に対して、株式会社ラシク代表取締役の黒野正和氏から監修いただいております。

【監修者プロフィール】

黒野正和氏

黒野 正和
株式会社ラシク代表取締役

日本郵便株式会社(旧 日本郵政公社)において13年間勤務。主に施策立案や人材育成などに従事。2016年に独立後、LACIQUEを創立。

ポジティブ心理学の創始者セリグマン博士来日セミナーで公式ファシリテーターを務めた経験を活かし、ポジティブ心理学トレーナーとしてポジティブ心理学を取り入れた「企業文化づくり」及び「従業員の幸せから考える働き方改革」「チームビルディング」など、ウェルビーイング向上をテーマに企業の組織開発や社員研修、若年層の採用・就職支援にも積極的に取り組んでいる。また、採用のミスマッチを未然に防ぐための「ウェルビーイング合同企業説明会」も主催し、企業と学生の双方から好評を得ている。

他に、ポジティブ心理学をオンラインで体系的に学べる「ラシクアカデミーのポジティブ心理学プラクティショナー養成講座」も開催しており、メディアにも多数取り上げられている。

<資格等>
日本プロフェッショナル講師協会 認定講師
Japan Positive Psychology Institute認定 ポジティブ心理学トレーナー
Gallup認定 ストレングスコーチ(ストレングスファインダー)
キャリアコンサルタント(国家資格)
一般社団法人SDGs支援機構認定 SDGsビジネスコンサルタント
大阪商工会議所認定 メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種、Ⅲ種

細かい上司への対処法についての調査結果も紹介しているので、細かい上司に不満を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

440人に聞いた!上司が細かいと思う瞬間ランキング

上司が細かいと思う瞬間

お仕事をしている440人に「上司が細かいと思う瞬間」を聞いたところ、圧倒的1位は「文書・表の作り方に口を出す(154人)」でした。

2位「顧客対応・マナーにうるさい(53人)」、3位「スケジュール管理が細かい(27人)」が続きます。

「文章の作成方法や見た目」「ビジネスマナー」「スケジュール管理」などはどれも大切ですが、上司から指摘されて「細かいな」と思ってしまう人も多いようです。

複数の項目で「就業規則やルールでは決まっていないのに」とコメントした人がいることから、「ルール化や明文化されていないことを指摘されると細かい」と感じる人も多いと推測できます。

1位 文書・表の作り方に口を出す

  • 報告書の文字サイズと位置を直すように指摘すること(30代 男性)
  • 「文字間のスペース」「点の入れ方」「改行の場所」を細々言われ、細かいと思いました(40代 女性)
  • スライドの色使いを細かく指定してくる(60代以上 女性)

1位は「文書・表の作り方に口を出す」でした。

とくに文書の「フォントの種類」「サイズ」「色」「余白」などについて指摘を受けた人が多くなっています。

また「句読点の場所」「てにをは」を修正するよう求められる人も。

実際にフォントや句読点の位置によって見やすさや読みやすさが変わることもありますが、あまりに細かいとうんざりしてしまうようです。

2位 顧客対応・マナーにうるさい

  • 物の渡し方について、両手で持ち頭を下げて渡すように指摘された(20代 女性)
  • 取引先との商談で、一人称の「僕」「私」などまで上司と同じ言葉遣いを求めてくる(30代 男性)
  • 砕けた話をしているときも、歳の離れた部下の言葉遣いにいちいち引っかかっていること(40代 女性)

2位は「顧客対応・マナーにうるさい」でした。

具体的には、身だしなみ、言葉遣い、所作などです。

「靴下の色を注意された」「封筒に入れる紙の向きを修正された」という人もいました。

同僚や顧客を不快にさせないためにマナーは重要ですが、指摘が細かくて驚いた人も多いようです。

「フォーマルな場面でなければ臨機応変に対応してもいいのでは」といった意見もありました。

3位 スケジュール管理が細かい

  • 数秒の無駄な作業を指摘された(20代 男性)
  • 用事で出勤が遅れるとき、分単位でランチや残業の調整をさせられる(30代 女性)
  • 在宅勤務のとき、「タイムラインを分単位で書き出して提出しろ」と指示された(40代 女性)

3位は「スケジュール管理が細かい」です。

「秒単位・分単位で業務を指定される」という人もいるとわかります。

また、お手洗いに行く時間やドリンクを飲む時間などを気にされたり指定されたりしている人も。

上司が残業に厳しく、回避できない理由で残業している場合も注意されて釈然としない思いを抱えているケースもありました。

4位 自分のこだわりを押し付ける

  • 自分のやり方が上司のやり方と異なっているときに指摘される(20代 女性)
  • 自分のやり方でも仕事できるのに、上司が自分流のやり方を押し付けてくるとき(30代 男性)
  • パソコン操作にいちいち口を出してきて、自分のやり方を推奨してくる(40代 女性)

「自分のこだわりを押し付ける」が4位でした。

仕事の進め方が上司と違うときに指摘されてしまい、「好きにやらせてほしい」と感じる人も。

間違ったやり方ではないのにどうして直さないといけないのかと疑問に思う人も多いでしょう。

逐一業務を止めて確認されてしまうため、仕事が進まず困っている人もいました。

5位 物の場所・置き方にこだわる

  • 美容業をしていたとき、文房具の置き場所や予約表の配置など、規則として決められていないことに対しての意見がとても多くあった(20代 女性)
  • 備品の配置が少しでもずれていると指摘された(30代 女性)
  • スーパーで働いています。台車の向きが違うとか、段ボールの捨て方の向きが違うと言われます(40代 男性)

5位は「物の場所・置き方にこだわる」です。

物の配置や整理整頓にこだわるタイプの上司をもつ人もいます。

職場によりますが、備品の配置が既定の位置から大きくずれると事故につながることも。

また整理整頓や職場をきれいに保つことで、仕事が効率化できるメリットもあります。

ただ指摘が細かったりルール化されていない内容だったりすると、「細かすぎるな」と感じる人もいるようです。

ワンポイントアドバイス

細かすぎる上司からの指摘には、ストレスを感じる人も多いでしょう。

一方で上司からの指摘を受けたときは、自身のスキルを見直すための良い機会でもあります。

とくにアンケートの上位にあがった「文書作成」や「顧客対応」は仕事をしていくうえでの基本的なスキルです。

「知らない」「できていない」とみなされると、社会人としての資質を問われてしまうケースもあります。

上司の指摘に耳を傾け、改善に努めることで、自身の成長にもつながるのではないでしょうか。

上司に細かい指摘を受けたときにどう思うかを聞いてみた

上司に細かい指摘を受けたときどう思うか

上司に細かい指摘を受けたときにどう思うかを聞いたところ。「重要だと思えない(96人)」と答えた人がもっとも多くなりました。

一方で2位には「納得する・勉強になる(81人)」が入っていて、的確な指摘ならありがたく受け取っている人も多いとわかりました。

ただ、3位以降は「面倒くさい」「イライラする」などが続き、全体的にはネガティブな受け取り方をしている人が多いようです。

ワンポイントアドバイス

上司から細かい指摘を受けたときは、成長のチャンスと捉えることをおすすめします。

重要と思えない指摘であっても、あなた自身のスキル向上や業務の改善につながるケースも多いからです。

また指摘に納得いかない場合でも、「そういうやり方や考え方もある」と捉えることで、視野を広げる機会も得られます。

上司の細かい指摘が役に立った人は50.4%と半数以上

上司の細かい指摘が役に立つことはあるか

上司の細かい指導が役に立った経験がある人は、「よくある」「たまにある」を合わせて50.4%と半数を少し超えました。

一方「全くない」と答えた人は14.1%で、多くの人が上司の細かい指摘から何らかの助けや学びを得ていることが見て取れます。

例えば「自分は大雑把なので、上司の細かい指摘は助かる」という声もあり、上司の指摘を上手に活用している人もいました。

ワンポイントアドバイス

上司の細かい指摘を不快に思っている人は多いものの、役立った経験がある人も少なくないとわかります。

上司の指摘は、自分のスキルを高める機会として積極的に活用しましょう。

細かい上司の対処法ランキング

細かい上司の対処法

「細かい上司の対処法」を聞いたところ、もっとも多かった回答は「従っておく(204人)」でした。

2位「深く考えず受け流す(95人)」、3位「上司に合わせる(56人)」が続きます。

上司を立てて、おとなしく対応する人が多いとわかります。

ただし「従う」「受け流す」と答えた人の中には、表面的な対応にとどまり、実際に上司の指示を仕事に反映させていない人もいました。

1位 従っておく

  • 笑顔で「わかりました」と言います。つっかかって反論すると、かえって面倒なことになります(30代 女性)
  • 下手に逆らわず、指定通りに業務をこなすようにしています(40代 男性)
  • 「はい、わかりました」と素直に了承する(60代以上 女性)

1位は「従っておく」でした。

従う理由としては、「相手が上司だから」「反論すると面倒なことになるから」などが目立ちます。

また納得できる指摘の場合は、自分のためになるからと素直に受けて入れて従う人もいました。

「従う」「上司の指示通りに仕事する」という行動は同じでも、内面の受け取り方は違うようです。

2位 深く考えず受け流す

  • 深く考えすぎない。サラッと受け流す(20代 女性)
  • とりあえず話を聞いて納得したように見せる。あとは自分で考えて行動する(30代 男性)
  • 「また始まった…」と思って話半分で聞いて、ストレスを溜めないようにしている(40代 女性)

2位は「深く考えず受け流す」でした。

受け流す理由は「まともに聞いているとイライラするから」「上司も指摘したことを覚えていないから」「納得できないことが多いから」などです。

自分のやり方に自信があり、指摘を受け入れていない人もいました。

3位 上司に合わせる

  • まず細かい上司が何を重視しているかを観察し、事前に対応するよう心がけています(30代 女性)
  • なるべく上司の意向に沿うように仕事をしている(40代 男性)
  • 上司好みの仕事をする(50代以上 男性)

3位は「上司に合わせる」です。

指摘されたことをもとに、上司の好みや指摘したくなるポイントを把握し、今後は指摘されないよう注意して仕事を進める人も多くなっています。

上司の考えを先回りする方法ですね。

例えば「途中報告を何回も求めてくる上司なので、聞かれる前に自分から報告したり意見を求めたりする」といった工夫が寄せられています。

4位 反論・意見する

  • 納得できないときには、言葉を選んで意見は言わせていただく(30代 女性)
  • 怒るとケンカになってしまうので、上手く抑えたり、ソフトに自分の言いたいことを伝えたりしています(30代 男性)
  • 指摘に対して、自分の考え方を説明しています(50代 男性)

「反論・意見する」が4位でした。

納得できない指摘に対しては、言い方に注意したうえで反論したり意見を述べたりする人もいます。

また上司が否定した方法を実際にやって見せて、納得してもらう人も。

「意見すれば受け入れてくれるときもあるから」というコメントもあり、上司の性格や上司との関係性によっても、反論・意見できるかは変わってきそうです。

5位 感謝を伝える・ありがたく思う

  • 自分が納得していなくてもお礼を言う(20代 女性)
  • その場では「教育熱心だ」と思い込んで感謝を伝える。ストレスは別のところで解消(30代 男性)
  • 指摘をしてもらったら、素直に感謝の気持ちを伝えています(40代 男性)

5位は「感謝を伝える・ありがたく思う」です。

上司をやり過ごすためにお礼を伝えているパターンと、ミス予防や勉強になって本気で感謝しているパターンがあります。

やり過ごすために「ありがとうございます」と言っている人の中には、結局上司の指摘をあまり受け入れていないケースもあります。

一方指摘を「成長のために必要」「自分や会社のために、嫌われ役になってくれている」と考えるのは、前向きな捉え方ですね。

ワンポイントアドバイス

細かい上司への対処としては「従っておく」という回答が圧倒的に多いですが、無理にすべてを受け入れるのではなく、指摘の中から自分にとって役立ちそうなポイントを取り入れるのもおすすめです。

自分に合った部分を少しずつ取り入れることで、仕事に活かしたり、自分の成長の糧にすることができるようになりますよ。

調査総括に対して監修者の黒野正和氏からコメント

細かい上司の特徴としては、「文書作成やマナーに厳しい」「スケジュール管理が秒単位・分単位」などが挙げられました。

細かい指摘や管理に対しては、納得できるなら従ったり、指摘されないように上司に合わせたりする人が多くなっています。

一方納得できないことに関しては、受け流したり反論したりする人も。

表面上は従っていても、実際には業務に反映させていないケースもありました。

なお「指摘している内容以上に、高圧的な言い方が気になる」という人もいるので、気になったことを部下に指摘する場合には、話し方にも注意が必要です。

また「細かく管理されると成長につながらないし、信用されていない感じがする」という意見もあったので、人材育成の観点からも注意が必要と考えられます。

当調査の監修者である黒野正和氏からコメントいただいたので紹介します。

黒野正和氏
当記事の監修者、黒野正和氏の総括コメント

部下への細かい指摘は、業務効率化に役立つ一方で、過度に行われるとストレスやモチベーション低下を引き起こすリスクがあります。

特に、文書のフォントやスケジュール管理などに関する指摘が「重要ではない」と感じられるケースが多いですが、 半数以上の人がその指摘を役立つと感じている点は注目すべきです。

また、指摘の仕方や上司の態度は、上司と部下の信頼関係に大きな影響を与えます。

高圧的な態度ではなく、部下の強みを認め、具体的かつ建設的なフィードバックを心がけることで、成長の機会を提供できます。

さらに、指摘は一方的ではなく、部下の意見や視点を尊重し、対話を通じて行うことで、より良い信頼関係と協力関係を築くことができます。